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●概要
日程:2018年11月10日(土)、11月11日(日)
時間:10:30〜19:00
キュレーション:中島晴矢
メインビジュアルA:illustrated by かつしかけいた
メインビジュアルB : Photo – Tomohito Ishii / Design – Haruya Nakajima

​Web : https://newtown.site/2018/archives/1182/

『EXPO-SURVIBIA -千里・万博・多摩-』
秋山佑太
石井友人
キュンチョメ
中島晴矢
FABULOUZ
原田裕規

『変容する周辺、近郊、団地』
[URG]
石毛健太
衛藤隆世
EVERYDAY HOLIDAY SQUAD
垂水五滴
中島晴矢
名越啓介
BIEN
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『PERSISTENCE_suburb』
[PERSISTENCE]
新井五差路
百頭たけし
藤林悠

『川崎ミッドソウルーーアフター「ルポ 川崎」』
細倉真弓
磯部涼

映画『サウダーヂ』上映
空族

『死後の〈郊外〉—混住・ニュータウン・川崎—』
小田光雄
磯部涼
中島晴矢

『都市・郊外・芸術ー計画と無計画の間で』
会田誠
中島晴矢

「『SURVIBIA!!』 クロッシング・トーク」
出展作家多数

チケット料金:無料

●展覧会コンセプト
旧住民と新住民のみならず、もはや全国的にスプロール化した「郊外」は、いまや移民も含めた新たな「混住社会」の局面を先鋭的に露呈している。

もちろん、「郊外の風景」を「病理」として疎外論的に片付けるのではなく、私たちの社会をあまねく覆っている前提として捉えた上で、本展はそれらに対しカルチャーやアートによってどのような実践や介入が可能かを問い直すことになる。それはオリンピックを目前にして進められている現行の都市開発(スクラップ・アンド・ビルド)を単に憂うような態度ではなく、戦略的に、あるいは遊戯的に、この郊外をどう生き延びて行くかを展望する一つの契機となるはずだ。

『SURVIBIA!!』展は具体的に、四つのグループ展と一本の映画から構成される。

日本的ニュータウンの端緒である大阪・千里ニュータウンや、そこで1970年に開催された大阪万博、そして会場の多摩ニュータウンをテーマとした展示「EXPO-SURVIBIA -千里・万博・多摩-」。1964年の前東京オリンピック前後から大都市周辺を取り囲む団地群における現在の生活や文化の変容を探る「変容する周辺 近郊、団地」展。執拗に風景写真を取り続ける三人の写真家による、郊外の風景を再構築する写真展「PERSISTENCE_suburb」。昨年『ルポ 川崎』を上梓して郊外都市の貧困や多文化性といったリアリティを世に問うた磯部涼・細倉真弓のタッグによる、その続編であり且つ新しい展開を刻む展示「川崎ミッドソウルーーアフター『ルポ 川崎』」。そして、『国道20号線』でロードサイドに生きる人々と風景を描いた、山梨を拠点とする映画制作集団・空族による、ブラジル移民との混住や地方都市の諸問題を活写した映画『サウダーヂ』の上映だ。

さらに関連イベントでは、郊外論の嚆矢を切り開いた『〈郊外〉の誕生と死』を著した評論家・小田光雄と上記・磯部涼の対談「死後の〈郊外〉—混住・ニュータウン・川崎—」、また芸術家の視点から「新しい都市のビジョン」を提示した個展『GROUND NO PLAN』が記憶に新しい会田誠をゲストに迎えてのトーク・ショー「都市・郊外・芸術——計画と無計画の間で」も展示に併せて催される。

これらをもって本展は、狭義のニュータウンにとどまらず、団地や地方都市、ロードサイドといった〈郊外の全体性〉を、過去・現在・未来を貫いて炙り出すことを試みる。なにより、それは郊外論を超えて、都市や社会、そして文化といった現代のわれわれを取り巻く現実についてかんがえる視座を与えてくれるはずだと信じて。

中島晴矢

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イギリスの「田園都市構想」(エベネザー・ハワード)やアメリカの「近隣住区論」(クラレンス・A・ペリー)を下敷きとしながらも、日本社会固有の文脈によって受容され、独自の進化を遂げた日本的ニュータウン。
際限なくスプロール化する「郊外」におけるその端緒は、1962年から入居が開始され、1970年の大阪万博と共に開発された歴史を持つ「千里ニュータウン」であった。何より1970年とは、日本の近代化がひとまずの達成を遂げ、同時に消費社会化を迎える「おわりのはじまり」ではなかったか。とすれば、現代の社会状況まで地続きの1970年というメルクマールに立ち帰ることは、過去・現在・未来の日本社会を串刺しにしてかんがえる上で、「太陽の塔」(岡本太郎)さながらに、無視できない象徴性を帯びていると言えよう。
本展は、千里丘陵に建てられた「千里ニュータウン」、そこに隣接して開催された祝祭「大阪万博」、そして展示会場でもある東京郊外の「多摩ニュータウン」を繋いだときに浮かび上がる都市空間を求め、彷徨う営みである。

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